2008年12月
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5715.にっぽん丸 サンタクルーズ熱海花火(総括編) 返信  引用 
名前:桑原    日付:12月20日(土) 10時32分
 遅くなりましたが,今回のクルーズについて,特に最近話題のサービス体制の面を中心に,総括してご報告したいと思います。

 実況でもありましたが,1 日目は食事 1 回目だと乗船開始(16:30〜)からパーティー(17:00〜)までわずか 30 分しか余裕がなく,さらにその後間を空けずにディナーや各種イベントが続いていたため,インフォーマルの支度などを考えると,かなり無理のあるスケジュールであったことは否めませんでした。このようなタイトなスケジュールだと,できるだけ早く行動しようと人が一時に集中するため船内は混乱するのが当たり前で,前回乗船時の「スープ & ブレッド事件(#703 参照)」が否が応にも思い出されてしまいます。
 しかし,2 年前のにっぽん丸と違っていたのは,混雑があっても決して混乱はしていなかったということです。今回は乗客 400名以上という同船としてはかなり大人数のクルーズで,ダイニングやラウンジなどでは長い行列ができるケースが多かったのですが,席案内を根気良くかつ丁寧にやっていたことで行列待ちの客に安心感を与え,手の空いている別部署の職員が列に並ぶ客のフォローに当たっていたのも効を奏していたと思います。また,特に混雑していた局面では,待ち時間や混雑の収まる時間帯などの情報を適宜来場者に伝えていたことで,情報不足によるパニックを回避することにも成功していました。
 クルーズの評価では,しばしば乗客のマナーの良し悪しが引き合いに出されますが,船側の対応が適切であれば,自然と乗客はマナー良く振る舞うのだということが分かる事例でした。にっぽん丸は隙いているクルーズが快適だと良く言われていましたが,今回のように混雑から逃げることよりも,むしろ混雑に適切に対処しようというポリシー転換は,需要の急増に対応して改装を計画している同船の戦略に合致するものだと思います。

 スタッフのサービス体制については,ぱしふぃっくびいなすに比べてまだまだ洗練されていない部分や,飛鳥 II に比べて足りない部分も確かにあるわけですが,チームとしての連繋性という点においては見るべきものがありました。
 ダイニング席案内の場面では,日本人の上級職員が客の人数や相席などの要望をきちんと聞いて,部下である外国人スタッフに席までの案内を的確に指示するという体制によって,効率良くかつ適切に行列を消化していたのが印象的でした。また,外国人スタッフ同士でも頻繁に情報交換が行われているらしく,あるスタッフに落ち度があっても別のスタッフがすぐにフォローに入ると言う場面も見られました。
 特に感心したのが,態度も言葉もたどたどしい恐らく新人のスタッフが,手隙の間は客席の様子を良く観察していたということです。サービスの基本は客を観察することにあると言われますが,ほとんど何もできない新人のうちからそういう態度が身に付いているということは,新人スタッフに対する教育と指導が行き届いていることを思わせます。

 さて,今回乗船前にはメインショーの水準には若干の懸念がありました。というのも,藤原さんのクリスマス乗船レポートでは,いつもにっぽん丸のメインショーに対する評価が微妙だったからです。にっぽん丸のショーというと,船に馴染みの深いタレントによる,日本船ならではの小規模でアットホームなものに持ち味はありますが,クリスマスという非日常的なイベントに相応しい豪華絢爛なショーには不向きだというイメージがありました。今回は外国人タレントによるゴスペルソングをテーマにしたレヴュー・ショーということで,何となく飛鳥プロダクションの向こうを張っているようにも思いますが,ステージの広さやショー設備の充実度で考えても,到底飛鳥 II に太刀打ちできるはずもありません。
 しかし,今年のにっぽん丸は一味違っていて,ステージの狭さを逆手に取って客席との一体感や至近感を上手く生かし,ショーを盛り上げるのに成功していました。これから,同船にご乗船される方もいると思うので,詳しい内容は見てのお楽しみとしますが,もし早めに入場して良い席を取りたいというのでしたら,後ろの方でも構わないので 1F の内側に陣取ることをお薦めします。
 また,その日の夜食には,ショーの出演者がやってきたのも良かったと思います。ショーを観覧するだけでなく,その出演者と身近に接することができるというのも,同船の醍醐味ではないかと思いました。

 今回のクルーズ,一言でまとめると「にっぽん丸,見直した」といったところでしょうか。前回の乗船時に気になった細かい部分も,全てとは言えないまでも 9 割方改善されていたようですし,国内クルーズ先駆者としての驕りを捨てて,他船の良さも積極的に取り入れようという意欲も感じられました。
 来年以降の改装に向けて,ハードだけでなくソフトの面でもグレードアップしたにっぽん丸がどのように化けるのか,期待の持てるクルーズであったと思います。



5716.Re: にっぽん丸 サンタクルーズ熱海花火(総括編)
名前:藤原雄一郎    日付:12月20日(土) 11時13分
桑原さん

詳細な報告をありがとうございました。今回の報告の内容こそ「にっぽん丸」として日頃から私が感じているもので、とても安心しました。

飛鳥のダイニングのまずさはシステムのまずさにあると思います。私の不幸な飛鳥クリスマスの夜食のケースも、びいなすにも乗船している同じ乗客が飛鳥だとこのような行動をとるのかと驚きました。

ともすれば飛鳥で「窓際ダッシュは誰も止めることができない」という声を聞きますが、それは飛鳥のダイニングシステムの構造的な問題だと思います。

今回桑原さんが詳細に報告されたダイニングシステムはびいなすでも全く同じです。責任者・チーフウエイター・ウイエイターのそぞれが役割をキチンと果たせば「混雑はしても混乱はしない」のです。

このようなにっぽん丸が前回桑原さん乗船の時には違った印象を持たれたのは、まさに「団体客」を数多く入れたのが原因だと思います。ですから私はこの掲示板で「団体客が多く入っても雰囲気を乱さない」ような教育を添乗員にすべきだと力説しています。


5727.Re: にっぽん丸 サンタクルーズ熱海花火(総括編)
名前:桑原    日付:12月21日(日) 10時15分
 日本船 3 船制覇した後の 4 度目のクルーズはどれに乗るべきか悩みましたが(笑),にっぽん丸にして正解でした。前回乗船した時は真のにっぽん丸とは違っていて,ようやく今回初乗船を果たしたような気分です。

 ただ,前回乗船の時は団体客自体に問題があったというより,どちらかというと船側が団体客という慣れない仮想脅威に振り回されていただけという雰囲気もありました。今回のクルーズでは集団に対する対応の仕方やサービス要員の配置など,明らかに改善されている点も多くあり,今だったら団体客が押し寄せても尋常に対処できるのではないかと思いました。
 以前,国内クルーズ船の運航コスト計算を試みたことがありますが,国内クルーズを海外並の価格水準で運用するためには,どうしても閑散期の稼働率がネックになるらしく,団体客の容認は国内クルーズ業界にとって避けて通れない試練なのではないかと思いました。前回乗船した時は,丁度同船が団体客受入れを積極的に始めるようになった過渡期のようで,区間乗船や分離政策など様々な試行錯誤(と同時に様々な失策)が見られましたが,それら試行錯誤が効を奏していることは,同社が格安クルーズを団体ツアーの受け皿として正式に売り出したことからも明らかです(参考)。

 いずれにしても,従来の顧客層の満足度を維持しつつ,いかに団体旅行者を受け入れていくかそのノウハウが,各社の生き残りのキーポイントになっていくのは間違いないでしょう。この点において,やはり日本船の中では飛鳥 II が一番の心配の種であるのは,同意ではありますけど(笑)。


5729.Re: にっぽん丸 サンタクルーズ熱海花火(総括編)
名前:藤原雄一郎    日付:12月22日(月) 11時22分
桑原さん

実は私はにっぽん丸が団体を受け入れることで、前回桑原さんが経験された状態になることをとても恐れていました。

でも確かな目を持った桑原さんが太鼓判を押されるのですから安心しました。団体コントロールは是非うまくやって、せっかくの雰囲気を壊さないように各社配慮して貰いたいと強く思います。

私は飛鳥であれにっぽん丸であれびいなすであれ、日本の流儀を取り入れて独自の進化を遂げた日本のクルーズを誇りにしています。ですからツイツイ頭に血が上って!!